改訂コーポレートガバナンスコードの「スキルマトリックス」について
本年、4月6日にスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議 より、コーポレートガバナンスコードの改訂が発表された。
上場会社は、遅くとも本年 12 月までに、本コードの改訂に沿ってコーポレ ートガバナンス報告書の提出を行うことが望まれることになり、後1か月となった。
今回の改訂の柱は「取締役会の機能発揮」「企業の中核人材における多様性の確保」・「サステナビリティを巡る課題への取組み」に加え、「グループガバナンスの在り方」 や「監査に対する信頼性の確保」、「株主総会等に関する事項」であるが、特に注目されるのが
「取締役会の機能発揮」である。
今回の改訂は、2022年4月より東京証券取引所における新市場区分の適用を背景にしたものであり、従来上場会社の社外取締役は2名以上
求められていたが、新たにできるプライム市場では1/3以上に強化されたことが、ここでの目玉といえる。
ただもうひとつ「スキルマトリックス」の概念が示されたことも、大きな特徴である。
これは、取締役会の構成につき、知識・能力・スキル・経験等が偏らないよう、多様性を確保して、選出することの必要性を示したもので、極めて重要といえる。
以下、補充原則4-11①の該当部分を抜粋する。
【補充充原則4-11①】
取締役会は、経営戦略に照らして自らが備えるべきスキル等を特定した上で、- 取締役会の全体としての知識・経験・能力のバランス、多様性及び規模に関する 考え方を定め、各取締役の知識・経験・能力等を一覧化したいわゆるスキル・マ トリックスをはじめ、経営環境や事業特性等に応じた適切な形で取締役の有す るスキル等の組み合わせを取締役の選任に関する方針・手続と併せて開示すべ きである。その際、独立社外取締役には、他社での経営経験を有する者を含める べきである。
以上